一旦手を解かれ、後ろ手に縛りなおさる。
目隠しをはずされ、店のトイレに連れて行かれる。
彼が、トイレでこういった。
「トイレに放置だ。ほかの客が来るけど、絶対しゃべるなよ。返事は?」
「ハイ」
目隠しを縛りなおして、彼が出て行く。
客たちのなにやら話し声が聞こえる。
「ほら行けよ」
トイレのドアが開く気配がする。
ファスナーをおろす音がする。
少し間をおいて、しょんべんをする音がする。
しぶきが飛ぶのがわかる。
目隠しのせいで感覚が増す。
ファスナーを上げる音がする。
僕の股間に誰だかわからない人の手が触れる。
ひとしきりしごかれる。
ドアを開けて出て行く気配がする。
客たちの話し声。
くぐもってよく聞き取れない。
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