僕が、うまくいっているけど少し物足りないというと「やっぱりね」とい風の顔をする。それもそのはずで、この店のマスターは、6年ほど前から僕のことを知っていて、年下と付き合っていることに驚いていたのだ。僕がそれまで付き合った人は、年上で頼れるタイプのひとであり、僕がおおネコなのも知っていたからだ。

「物足りないんだ」
 そうかもね。
「SMに興味あるんじゃない?」
 あるかもしれないけど突然何で?というと、マスターは、したり顔で「やっぱりねぇ。」という顔つきをした。
 僕が、不思議そうに見つめると、
「ほら、今年の夏だけど、足の毛を剃ってみたとか言ってたじゃない。それで、剃毛もしてるっていってたでしょ。ふつう、しないよ。おかしいなあって思ってたんだ。」

 僕は、剃毛している。すべすべの肌が好きだったし、なんといっても発展車両で触ってきた人が、僕の股間に毛がないことに気づいた時の反応を見るのが楽しかった。その中には、混んだ車両の中で何とかしてパンツの中覗こうとした人もいた。普段足までは剃っていないが、その夏試しに剃ってみたときに気付かれ、突っ込まれて聞き出されてしまっていたのだ。
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